先日、「フェミニスト現象学入門」という読書会に参加させていただきました。その会では改めて、「自分らしさ」とは何かを考えさせられました。ですので、今回は自分らしさについて、僕の考えを書いていきたいと思います。
１．なぜ、自分らしさを考えるのか
以下、自分らしさを自分の価値観に従って行動することと定義する。
人は誰しもが自分らしくいたいという願望を持っている。だが、社会は簡単にはそうさせてくれないことがある。
特に青年期の年頃になると、人々は自分らしさとは何だろうと考えるようになる。これは自分のアイデンティティを獲得するという点で非常に大事な役割を担う。だが、アイデンティティを上手く確立できないで、路頭に迷う人もいるようだ。
そこで、この自分らしさについて考えることは、人生単位において非常に大事な事のように思われる。本記事では、社会によってねじ曲げられてしまう自分らしさとの向き合い方についてお伝えしたいと思う。特に、「なんか自分らしくいられない」と思う方はこの記事でお伝えしたことを役立ててほしい。
２．社会規制に縛られる外見
この章では、社会規制の例として、人々の間に見られる外見や容姿に焦点を当ててみる。（特に女性）
SNSを見てると分かるのだが、自撮りの写真をたくさんアップしている人はいる。そして、「コメントやいいね」をもらいたいという承認欲求から動いている人も多いと思う。それは、SNSだけではなく、現実世界でも事態は同じはずで、何がしか外見でほめられたいと思っている人はたくさんいる。（現に化粧というものがある。）
そして、その褒められるためには何がしか自分に変化を加えなくてはならないが、社会には良しとされる見本のようなものが存在する。一番身近な例は体型に関することで、瘦せている方が美しいとした考えが日本では非常に強い。そして、その痩せているという状態に近づくためにダイエットにいそしむ人が多いのは明らかだ。
また、近年のSNSの発展によって、「流行り」の生成がより促進化しているように思われる。そして、その時代に合わせて何がしかの「かわいい」とされるファッションや容姿が必ずあり、その流行に自分を合わせようとする動きは強くある。また、男性から一方的に女性はこうあるべきだ。という規制もあるだろう。
今ままで述べてきたことをまとめると、その場所で良しとされるものだったり、その当時の流行りを「その場の見本」と定義すると、「その場の見本」に自分を合わせる人が非常に多いという事である。
こうした流れは、「その場の見本」が社会において、目指すべきものとして位置づけられて、それに反するようなものは規制される流れを生む。
これがまさしく、社会規制に縛られていくプロセスであり、自己決定できるものが失われていくプロセスでもある。このプロセスが「自分らしくいられない」と人に思わせる原因の一つであることは間違いない。
３．変容し続ける「その場の見本」
「その場の見本」は社会によって作られるが、もちろん社会における流行りは目まぐるしく変わる。だから、「その場の見本」も目まぐるしく変わる。
そして、人はその変容し続ける社会において「自分らしさ」を形成するのだから、自分も変容の影響を受けてしまう。しかし、社会の流行が目まぐるしく変わるから、自分も目まぐるしく変わるというのは、大変労力が必要になるだろし、その流行が自分に合わない限り忌避されるものだろう。（ただし、流行の最先端に合わせることが自分らしさであるという人を除く）
４．社会規制への強力で現実的な対抗策としての「情念」
2、3章をまとめると、社会によって生まれる「その場の見本」は、自己決定できる範囲を狭めていき、さらに変容し続けるので、その変容に振り回されてしまい、「自分らしさ」をむしばんでいくものであることが分かった。
それではこの状況下でどうすれば、みんなが「自分らしさ」を守り切ることができるだろうか。それは変容されないようにしたいという「情念」が大事だと思う。
なぜ「情念」が大事かと言うと、この「情念」（変容されないようにしたいという思念）は自分の中から沸き上がったものであり、「その場の見本」に従って生まれたものではない。つまり、自分だけが持ち得るものなのであり、その人独自の特色がある。
そして、この「情念」を尊重して行動することは、「情念」が自分独自の色を持つ以上、自己決定しているという感情を人に強く与えるだろう。また、「情念」によって社会の変容に全て従う事は無くなるだろうし、こうすることで社会に振り回されることなく「自分らしさ」を確立しやすくなるのではないかと思う。
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