アメリカが世界覇権を握るに至った経緯を地政学的にわかりやすく解説

政治学

この記事ではアメリカがなぜ世界覇権を握るような国になることができたのかを、地政学によって解明することを目的としています。

地政学の基本的な考え方や、歴史については前回の記事で解説したので、地政学とは何かを知りたい方は過去の記事をご覧ください。

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1.アメリカは巨大な島

地政学において、アメリカは巨大な島であるという表現が良くされる。そして、これはアメリカが覇国になり得た要因の一つである。いや、大きい大陸にある大きい国家なだけで島ではないでしょ。と一般的には思われそうなので、なぜ巨大な島と呼ばれるのかを説明する。

巨大な島と呼ばれる原因は3つあるので列挙しようと思う。

 1. 太平洋と大西洋に囲まれている

海が緩衝地帯となるため、敵からの侵入を受けづらいので、防衛を気にする必要性が少ない。
また、アジアとヨーロッパの両方の市場に簡単にアクセスでき、不況具合に応じて貿易相手を変えることできる。そして、アクセスのしやすさを活かして、一時的な好況からも利益を得ることができる。

 2. 地元勢力

アメリカと国境を接するカナダとメキシコはアメリカにとって軍事的な脅威ではない。

 3. 国力を並べる対抗国がいない

☞アメリカが攻められるならば、広い海洋を渡って攻めなければいけないため、海洋国家でなければアメリカを攻められない。そして、国際的に力を持つ海洋国家はイギリスと日本だが、どちらもアメリカの同盟国なので、攻められる心配をする必要がない。

これらの地政学的環境から、アメリカは国際的に極めて安全で、外国勢力の脅威から守られる地域であることが分かるだろう。これがアメリカは巨大な島であると呼ばれるゆえんである。

この安全性によって、アメリカは自国の防衛よりも、世界に影響を与えることに専念できるようになったのである。

 4. 補足 耕地面積世界一

☞補足として、アメリカにはミシシッピ川のような世界有数の長さを持つ川を持つためか、耕地面積が世界で一番大きい。そのためか、アメリカの食料自給率は極めて高い。つまり、天災や異常気象などによって、食物の価格が急上昇するという事態からは比較的守られている。

2.日本はどのようにアメリカと付き合うべきか(個人的意見)

このように地政学的には、アメリカは環境によって世界から守られ、そして世界に積極的にアクセスできるようになり、覇国となることができた。

さて、この覇国と日本はどう付き合えばいいのだろうか。

横田ラプコンや、基地移転問題で米軍が日本に駐留することなどを理由に米国からの独立を主張する考えがある。しかし、最近中国のような国が日本海に積極的に進出しようとする素振りを見せているため、それをアメリカは黙って見過ごすはずが無いし、前回の記事でも説明したが、スパイクマンのリムランド理論によればアメリカの孤立主義的な対応はアメリカの不利益となるだろうと思われる。

であるから、中国の海洋進出が日本に悪影響を及ぼすという事態を起こさせないためにも、日本とアメリカが合同で中国の海洋進出を厳しく見張る態勢は当然重要である。

ただ、日米地位協定などがあると色々とマズイし、アメリカ単体で完全に中国の海洋進出を防ぐことは考えにくい(昨今のウクライナ情勢からも分かると思う)ので、あまりにもアメリカに頼り切った状況は当然好ましくない。そのため、自衛隊の防衛能力に関する議論も積極的にされるべきだろう。

3.まとめ

今回は地政学的にアメリカがとても好立地な場所にあり、それ故、アメリカが覇国となれたことを解説した。
また、筆者の個人的意見だがアメリカとどう日本が付き合っていくべきかを考えてみた。

次回の記事では、お隣さんの中国について地政学を使って考えていきたいと思う。

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4.引用文献

ピーター・ゼイハン/木村高子 訳「地政学で読む世界覇権2030」東洋経済新聞社、二〇一六年

かゆみ歴史編集部 編著「教養として知っておきたい地政学」ナツメ社、二〇一八年

兵頭二十八【「地政学」は殺傷力のある武器である。】徳間書店、二〇二〇年

wikipedia,「世界の土地利用の一覧」(参照 2021/08/31)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

農林水産省「世界の食料自給率」(参照 2021/08/31)
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html

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