ギュスターヴ・ルボンの「群衆心理」を分かりやすく要約

今回は群集心理という本について解説しようと思う。

ル・ボン氏が著した群集心理と言えば、ヒトラーが大衆扇動の際に参考にしたとされるもので有名な本でもある。

 

この本の言わんとしていることは極論、「人々は群衆になるとアホになる。」ということである。

具体的に言えば、非合理的な判断をするようになり、被暗示性を示し、動物的になるということだ。

 

それでは、以下詳しく内容を記していこう。

ちなみに括弧内の文は個人的に私が思ったこと。

 

〇なぜ人は群衆になると、判断力が大きく退化するのか

第一の原因として、群集中の個人は、単に大勢にいるという事実だけで不可抗力な力を感ずるようになる。まあ、同調圧力と言えるだろう。日常でもよくこの力に遭遇する。

第二の原因として、精神的感染というものがある。これは催眠術に類する現象で、どんな行為も感情も伝染しやすくなる。(ここらに関しては、催眠や暗示に関する知識があるとより理解できるだろう。)

第三の原因として、被暗示性が挙げられる。というのも、暗示があらゆる個人にとって同一なものなので、群集中で互いに作用し合うからである。筆者はこの3つめの力がとても重要と言っている。

 

〇物事を軽々しく信ずる傾向

群衆のうちに極めて容易に流布する伝説が生み出されるのは、集合した個人の想像力によって、事件が驚くほど歪められるからである。
例えば、何か物事を考える時にそれとは全く論理的関係の無い物が換気されることがある。理性を備えた個人ならその支離滅裂さに気づけるが、群衆となると気づきづらい上に、さらに物事が変形されていく。
(これは胡散臭い噂話や伝説が広がる現象と深く関係している)

 

〇群衆の保守的傾向

群衆は、あまりにも無意識に長年支配されているため、極度に保守的な態度を示す。
あらゆる原始人のように伝統に対する拝物教的敬意を抱き、生存条件を改めかねないものには嫌悪する。
(当たり前の伝統に疑問を呈することが大事なのだ。)

 

〇群衆の思想

やや高級な哲学思想や科学思想にあっては、それが群衆の水準にまで漸次下るには、深刻な変化の必要が認められる。
この変化は常に縮小化、単純化の傾向を持つ
(例えば一昔前の共産思想は群衆に浸透するまでに幾ばくかの矮小化があっただろう。他にも、民主主義などの思想も元の哲学思想からかなり矮小化されていると思う。故に現代思想の元である原典は必ず読むべし。)

 

〇教育と群衆

現行教育に対する批判にも言及してある。
では、どんな内容だったかを簡素に言うならば、「現行教育はひたすら暗誦に走り、疲労困憊させ、かと言いつつ思考することは教えない。すると将来にわたっても能動的に考える能力を奪う。そして、それら教育の被害者が現代に渡る群衆を構成するため、まあ修辞家の暗示にすすんでかかっていく。」という話

 

〇ヒトラーが参考にしたとされる有名な場所:指導者の行動手段(以下引用)

およそ推理や論証まぬかれた無条件的な断言こそ、群衆の精神にある思想を沁み込ませる確実な手段となる。断言は、証拠や論証を伴わない、簡潔なものであればあるほど、ますます威力を持つ。あらゆる時代の宗教書にせよ法典にせよ、常に単純な断言な方法を用いたのである。
(根拠なき断言が群衆を魅了してしまう力を持ってしまうのである。)

 

〇指導者の威厳を消滅させる方法

威厳は議論の的になることで、緩慢に衰える。この手段は極めて効力を有する。議論の的にされる威厳はもはや威厳とは言えず、久しいあいだ威厳を保つことができた神々や人々は、決して議論を許さなかった。

 

〇群衆の信念と意見

群衆には通俗的な一般的信念というものがある。(宗教や思想など)
そして、人々はその一般的信念を擁護するために何百万もの命を犠牲にするのである。
しかし、こうした固定した信念の上には、常に移り変わる意見が存在する。例えば一国の政治において王制党、急進党、帝政党、社会党のような外見上は最も相反する党派が、全く同一の理想を持ち、この理想は種族の精神構造に基づいている。

 

〇選挙上の群衆

そこには、この上もなく架空的な約束もすることに躊躇してはならないとある。結局、正当な方法での選挙だと民主主義社会では通用しないということである。
(だが、私は民主主義以外にさらに正当な政権を樹立させる方法を知らない…)

 

〇最終的な結論

これで群集心理の要約を終わりにする。民主主義の定着により、これからは群衆がより時代を動かす存在となっていくだろう。
そのため、群衆に関する特性を学ぶことはこれからの世界を理解する上で極めて重要となるに違いない。

 

(完)

 

参考文献

ギュスターヴ・ルボン/櫻井 成尾 訳「群衆心理」、講談社学術文庫、 一九九三年

 

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